富とジェリー

映画・海外ドラマ・海外アニメの紹介と感想、独自の角度から切り込んだ考察を載せていきます。

マーベル・シネマティック・ユニバース(アベンジャーズ)総まとめ トニー・スターク考察

マーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)とは、マーベル・スタジオ製作の映画が共有する一つの世界です。

アメリカンコミックは、出版社が同じであればほとんどの作品が繋がっているということは有名ですが、それを映画でもやってしまおうというのがこの一大企画です。

今回は、MCU「物語」という観点から掘り下げ、綿密に仕組まれたその構造を読み解いていこうと思います。

アベンジャーズ』考察

『アイアンマン3』考察

『エイジ・オブ・ウルトロン』考察

『シビル・ウォー』考察

も兼ねます。

 

1.未見の方のための超簡単基礎知識

 

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©Avengers:Age of Ultron/Marvel Studios

 

アイアンマン=トニー・スターク

天才発明家・エンジニア。

大企業「スターク・インダストリーズ」のCEOだったが、ある事件をきっかけに軍需産業から撤退し、自らが開発したパワードスーツを着込んで悪と戦うようになった。

 

ハルク=ブルース・バナー

天才科学者。

実験の失敗により、ストレスを受けると別人格の怪物に変身するようになった。

 

ブラック・ウィドウ=ナターシャ・ロマノフ

KGBのレッドルームで鍛えられた凄腕のスパイ。

その後は国際機関「シールド」に務める。

 

ソー=ソー・オーディンソン

異次元(外宇宙)に存在する「アスガルド」の王子。

北欧神話で神として描かれた「雷神トール」本人。

 

ホークアイ=クリント・バートン

ロマノフと同じくシールドに務めるエージェント。

狙った的を絶対に外さない世界一の狙撃手。

 

キャプテン・アメリカ=スティーブ・ロジャーズ

元来の高潔な心と、実験により得た身体能力によって、第二次世界大戦の英雄となった伝説の男。

世界を守るためにその身を犠牲にし、氷漬けとなっていたが、若い姿のまま現代に蘇った。

 

アベンジャーズ

上記のメンバーが結集した、世界を守るヒーローチーム。

 

クイック・シルバー=ピエトロ・マキシモ

スカーレット・ウィッチ=ワンダ・マキシモ

人体実験により、それぞれ超スピードと超能力を得た双子の兄妹。

トニーが間接的に関わった戦争孤児で、はじめはアベンジャーズを憎んでいたが、後に協力する。

 

ロキ=ロキ・ラウフェイソン

ソーの義兄弟。

ソーにコンプレックスを持ち、「王」になることを目論む。

 

サノス

ロキにチタウリの軍勢と魔法の杖を貸し与え、地球を狙わせた大ボス。

MCU全体の黒幕。

 

※ここから先はMCU作品群のネタバレをほんの少し含みます。

 

2.「アイアンマン」からひも解くMCU

「光あれ」とかけているのかどうかは分かりませんが、MCUで最初に登場したヒーローは、胸に光を宿した「アイアンマン」(=トニー・スターク)です。

MCUという群像劇における最大の主役は今のところアイアンマンであり、これまでの大きな流れは基本的に彼が中心となっています。

なので、彼を知り、彼の目線で追うことによって、MCUを一つの線で結ぶことができます。

彼がデビューした『アイアンマン』は、底抜けに明るい作風の映画で、同年に公開された『ダークナイト』と好対照をなしていました。

しかし、そのような「結果」はアイアンマンの一つの側面にすぎません。

テロ問題や死の商人などのえげつないモチーフに触れるアイアンマンは、表面的な作風とは裏腹に、かなりシリアスなテーマを背負ったヒーローでもあります。

また、トニー・スタークは、アベンジャーズの中で最も人間臭さが押し出されたキャラクターです。

一見、お調子者の天才プレイボーイに思えるトニーの心の内には、常に闇があります。

彼の根本的な行動原理は「不安」

自分が製造した兵器が人を傷つけるかもしれないという不安。

友人や仲間の命が悪に脅かされるかもしれないという不安。

そして、「不安」とそれへの「対処(=武装)」とは、アメリカ合衆国全体に通じるミームとして言及されることが多い要素です。

MCUでのアイアンマンは、アメリカの現状の投影というポジションを担当しているといえます。

ある時点までのトニーは、自身の生命を保つために、ヒーロー活動をしていない時でも胸に「アーク・リアクター」を埋め込んだ状態で生活していました。

これこそがまさに「現状」です。

さらに、怪物に変身する体質を二度と癒せない「ハルク」(=ブルース・バナー)が同じ物語の中にいることによって、トニーの「現状」は「呪い」となります。

この「呪い」は『アイアンマン3』でとけますが、私小説なレベルにおいては、ここで彼のお話はいったん完結しています。

 

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©Iron Man 3/Marvel Studios

 

しかし、時を前後して動き出した「さらに大きな物語」に既にトニーは巻き込まれており、そこからはなかなか抜け出すことができません。

ソーの物語です。

「ソー」(=ソー・オーディンソン)の登場は、宇宙文明の存在を示す決定的な大事件であり、彼が引っさげてきた「世界」にはロキが、チタウリが、そしてサノスが隠れています。

これら「外宇宙の脅威」への潜在的な不安が、『アベンジャーズ』で描かれた「チタウリ襲来(=ニューヨーク決戦)」によって現実となり、トニーは根深いトラウマを植え付けられることとなります。

つまり「呪い」がとけた後も、トニーのポジションはずっと同じで、相変わらず不安にさいなまれ続けているのです。

その不安が最悪の形で具現化したのが人工知能ウルトロンです。

 

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 ©Avengers:Age of Ultron/Marvel Studios

 

ウルトロンは、不安が頂点に達したトニーの手により、世界を守るため(=アベンジャーズの仕事をなくすため)に生み出されたプログラムです。

けれど、その設計理念とは逆に、世界を滅ぼそうとします。

このプロットはあまりにも使い古されていますが、ウルトロン自体のキャラクターは実は結構複雑で、「不安がもたらした災厄」以上の役割を担っています。

ウルトロンは、人工知能にしてはかなり感情的で、極めて人間に近いロボットです。

トニーにエディプス・コンプレックスを抱くだけでなく、マキシモフ兄妹の境遇に同情しておきながら、人類を滅亡させようとするなど、人間的な「相反する立場」の錯綜を実践しています。

ですが、ウルトロンには人間との決定的な違いがあります。

「両立」を理解できないことです

彼には、「相反する立場」の双方を両立させようという葛藤がありません。

迷うことなく「ヴィランとしての使命」を選んで、そのために行動することができますし、選ばなかった「人間としての感情」をわざわざ捨て去ること(両立が不可能になったと認識すること)も彼にとっては意味がないのです。

だから、大虐殺を繰り返した後でも、当たり前のようにスカーレット・ウィッチ(=ワンダ・マキシモフ)を心配していました。

ウルトロンは、感情的かつ独善的な、トニー・スタークの極端なパロディであり、同時に、「ヒーロー」と「人生」の両立に苦しむアベンジャーズの面々、特にアイアンマンと「ブラック・ウィドウ」(=ナターシャ・ロマノフ)に対して、機械ならではの「答え」をチラつかせる「if」なのです。

ただ、ホークアイ」(=クリント・バートン)だけは、とっくの昔に両立を果たしており、理解ある家族と幸せを手に入れています。

このコントラストが、トニーをより孤独にしていきます。

さて、ここからがMCUの面白いところです。

ここまでトニーの「人間らしい心の弱さ」を挙げていきましたが、もしも『アイアンマン』が単独シリーズであったとしたら、「ヒーロー」とはまさにアイアンマンのことです。

その場合「もろい心を持つ一人の『人間』がハイテクを駆使して戦う姿」というのが、この世界の「ヒーロー」のリアリティになりスタンダードになるわけです。

ところが、MCUには常人の精神性を超越した「漫画に出てくるような心力を持つガチのスーパーヒーロー」が別に存在しています。

それがキャプテン・アメリカ」=スティーブ・ロジャースです。

 

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 ©Avengers:Age of Ultron/Marvel Studios

 

自らを確実に犠牲にすることや、個人を信じることをためらわない彼は、よく言えば「高潔」悪く言えば「愚直」の象徴であり、トニーの影です。

自分の父親がスティーブにゾッコンだったことなどもあって、トニーは彼に対してコンプレックスをのぞかせていますが、二人の関係は、そういった対人関係の規格を超えたものでもあります。

「『アイアンマン』の世界」にキャプテン・アメリカみたいな人がいたら変だし、「『キャプテン・アメリカ』の世界」にアイアンマンみたいな人がいたら変。

それなのにお互いが同じ世界に存在しているという矛盾を体現してしまったのがMCUであり、彼らがしばしば対立するのは、言わば「物語VS物語」の争いでもあるのです。

両者の落としどころを見つけようとして結局見つけられなかったのが『キャプテン・アメリカ:シビル・ウォー』です。

袂を分かった彼らは、今後どのようにもう一度結束し、サノスに立ち向かうのか。

そして、新たに参加したドクター・ストレンジ(=スティーブン・ストレンジ)は、どう関わってくるのか。

それが今後のキーポイントとなってきます。

ドラマ『ルーク・ケイジ』シーズン1感想と見所

順番でいけば『デアデビル』シーズン2の感想を先に載せるべきなのですが、筆者が最近『ルーク・ケイジ』を見終わったばかりなので、感情的にタイムリーな記事が書けるかもと思い、こちらを先に書くことにしました。

ということで、今回は『デアデビル』『ジェシカ・ジョーンズ』と同じくマーベルとNetflixが組んだオリジナルドラマルーク・ケイジシーズン1の感想をお届けします。

 

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©Luke Cage/Marvel Television/ABC Studios/Netflix

 

1.概要

ルーク・ケイジは同名のコミックスなどを原作としたドラマで、マーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)に含まれます。

ルークはある実験をきっかけに怪力と無敵の皮膚を手に入れた元受刑者(冤罪)で、『パワーマン』などとも呼ばれているヒーローです。

また、彼はブラックパンサーらと並び、アメコミにおける「黒人ヒーロー」の第一世代かつ代表の一人であり、歴史的意義の強いキャラクターであると同時に人気が高いです。

わりと有名な話ですが、コミックオタクであるニコラス・ケイジの芸名はこのルーク・ケイジから取られているらしいです。

 

2.感想と見所の解説

デアデビル』『ジェシカ・ジョーンズ』の舞台だった「ヘルズ・キッチン」から場所を移し、今回は同じくニューヨークの街である「ハーレム」が舞台となります。

ハーレムは住民のほとんどが黒人(実際は、現在はここまでの偏りはないらしい)で、またその中から音楽・絵画・スポーツ・政治などにおける天才や偉人を数多く輩出してきた土地であり、「黒人の希望」の象徴となっている街です。

しかし、同時にヘルズ・キッチンに負けず劣らず治安の悪さで有名な危険地帯でもあり、至るところに組織犯罪の魔の手が伸びています。

ルーク・ケイジが戦う相手は、犯罪者個人というよりはそんな街の「状況」です。

ルークはハーレムの出身ではありませんが、恩人の身に起きたあるできごとをきっかけに立ち上がり、「街を救う」活動に乗り出します。

構造は『デアデビル』と似通っているわけですが、「街」の特性と作中での扱われ方がまるで異なるので、『ルーク・ケイジ』は全く新しい別種の物語となっています。

マジで熱く、そしてブルージーです。

ルーク・ケイジ』における「ハーレム」は、街全体の一体感が常に演出されています。

人種差別や貧困を起因とする「暗黒の歴史」や、そんなどん底から芸術に貢献するなどして勝ち取った「誇り」を皆が共有していて、それが空気にまで染み渡っているんですね。

「街が生きている」のは『デアデビル』でも同じですが、その点がもっと強固かつ切実にクローズアップされているといえます。

「ハーレム」という多様な顔を持つ一つの人格と、『アベンジャーズ』から続く「超人の存在が確認された世界」の時勢の二重構造を用いて、ルーク・ケイジという「流れ者」をどう感じ、どう扱うかが問われるのがこのドラマなのです。

しかもルークが基本的に顔出しということもあり、彼の行動と街の反応は「生活」の描写と密接しています。

「謎の超人」と「住民」によるライブ感のある「コール&レスポンス」が、どんどん変化し、やがて「ヒーロー」という認識へと繋がっていく……!

これは熱い……!!

街の一部であることはヴィランたちにもいえます。

本作では、暗黒街の一角コットンマウス、その従姉弟で政治家のマライア、武器の卸元ダイヤモンドバック、三者に関わっているシェイズと、メイン級のボスキャラが何人も登場します。

ルークへの個人的な恨みで動くダイヤモンドバック以外は、全員がハーレムに何らかの思いを抱いており、単なる悪役とはいえないドラマの参加者となっています。

デアデビル』でそういう役割を担っていたのは厳密にはウィルソン・フィスクだけで、彼の周りにいる者たちは違いました。

ウェスリーはヘルズ・キッチンではなくそれを愛するフィスクを愛していたし、リランドはただのビジネス上のパートナーで、ウラジーミルはフィスクの価値観から見れば、一時的に組んでいるだけの「街の敵」でした。

マダム・ガオとノブ・ヨシオカに至っては、完全にファンタジーからやってきた規格外のスーパーアジア人でありました。

ルーク・ケイジ』ではそのようなイビツな横の繋がりはあまりなく、やはりダイヤモンドバック以外のヴィランは、しっかりと街に帰属しているのです。

コットンマウスは「音楽」、マライアは「理想」を通して、ハーレムの文化や展望と結ばれており、シェイズも過去を匂わせています。

また、先述したような「街の悲惨な経緯と状況」が背景にあるので、彼らの悪事は必要悪とも呼べるかもしれない側面があり、そこが何ともいえないのです。

ルークが「だからといって犯罪に逃げていいわけじゃない」というようなことを言い切ってくれますが、それでも「憂い(ブルース)」がしみじみと残ります

個人的にコットンマウスの人生には泣きましたもん……。

ストーリーやキャラクター以外に目を向けると、音楽が秀逸なのも本作の特徴です。

ノリのいいブラックミュージックが、同じくMCUの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』並みに最高のタイミングで使われており、最高の味付けとなっています

ルーク・ケイジ』がマーベル作品でもあり、ブラックスプロイテーションの系譜に当たる作品でもあることが、リメイク版『シャフト』(と含めていいなら『ジャンゴ』)くらいしかちゃんと見たことがない僕でも感覚的に理解でき、その魅力と意義を噛みしめることができました。

あと、日本人からすると話もBGMも「時代劇っぽいな」っていう変な楽しみ方もできたりします。

最後に、この作品のスゴいところは、街が主役でありながらきちんとルークも主役であるところです。

決して狂言回しには収まらないルーク・ケイジという男の生き方も、その目で確かめてください。

とにかく『ルーク・ケイジ』は最高です。

超オススメです。

画像引用元・権利者:Netflix/マーベル・スタジオ

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ドラマ『ジェシカ・ジョーンズ』シーズン1感想と見所

 

今回は『デアデビル』と同じくマーベルとNetflixが組んだオリジナルドラマジェシカ・ジョーンズ』シーズン1の感想をお届けします。

 

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©Jessica Jones/Marvel Television/ABC Studios/Netflix

 

1.概要

ジェシカ・ジョーンズ』は『エイリアス』などのコミックスを原作としたドラマで、マーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)に含まれます。

主役のジェシカ・ジョーンズは怪力と飛行能力(ドラマではほぼ大ジャンプ)を備えた元ヒーローで、このドラマでも一時期はヒーローを志していましたが、現在はエイリアス探偵事務所」の私立探偵として活動しています。

 

2.感想と見所の解説

もう本当に異色作中の異色作ですね。

正直ジェシカ・ジョーンズについては僕はあまり詳しくなくて、ルーク・ケイジの嫁ということと、ある凄惨な事件を機にヒーローを引退したということくらいしか知りませんでした。

でも今回のドラマを見て、ジェシカは彼女にしかない強い個性を持ったキャラクターであり、作品もそれに応じて非常にユニークなものになっているという印象を受けました。

第一に、大前提として彼女はヒーローじゃないんですよね。

ヒーローになろうとしたけど、運悪くなれなかった女。

口が悪く、がさつで、酒飲みで、いつも疲れたような顔をしている一人の「女」。

聖人でもなければ完璧でもない……っていう描かれ方は現代のヒーローみんなそうなんですが、『ジェシカ・ジョーンズ』はその点がさらにえげつなく押し出されています。

ジェシカはエゴも性欲もアンニュイさも全てが真に迫って触れられる「MCUで最も人間らしい人間」で、本作はそんな「人間」が織りなす地に足ついたドラマなんです。

しかも登場人物も制作陣も女性が多いからか、ドラマの内容は超ドロドロ

そして、そんなリアルでドロドロな物語でありながら、「でもアベンジャーズがいる世界」っていうのが本当に独特の位置づけで、妙な味わいがあるんですよ。

第二に、ジェシカの基本的な立ち位置が「被害者」であることも特徴として挙げられます。

ジェシカの内面には、後述する本作のヴィランに負わされたトラウマが深く根ざしていて、それがシーズン1で最も重要なテーマとなっています。

ジェシカは他人のためにそのトラウマの元凶たる男に立ち向かうのですが、その「戦う正義の味方もどきの姿」は同時に「ボロボロに傷つけられた女の姿」「悲惨な過去と向き合う女の姿」でもあって、そっちの方がストーリーのメインなんです。

根が善人のジェシカがヒーロー足りえる気質を持ち合わせているのもたしかですが、ヒーローが「平和を取り戻す」のではなく、とある中年女が「干渉された人生を修正する」お話が『ジェシカ・ジョーンズ』シーズン1というわけです。

で、そんな状況を作り出した本作のヴィランキルグレイブなんですが、めちゃくちゃ気持ち悪いです

心理的にも気持ち悪いし、視覚的にも気持ち悪い(ルックスはイケメン)。

原作では通称パープルマン、本名ゼベディア・キルグレイブ(ドラマ版では通称キルグレイブ、本名は別)というキャラクターで、「ジェシカをもてあそび、ルークにボコボコにされた変態小悪党」というイメージしか僕にはありませんでした。

しかし、ドラマ版のキルグレイブはその変態性を掘り下げ、洗練させることで、本当に気持ち悪い極悪ヴィランとなっています。

ていうか今のところMCU史上ワーストのクズ野郎だと思います。

彼の能力は声を用いて「人に命令し、意のままに操ること」

それだけ書くと「ロキの下位互換じゃねーか」と思われそうですが、能力以前に人格がヤバいので、差別化できているどころか怖さと嫌悪感ではこちらの圧勝です

まず、先述したジェシカのトラウマとは「キルグレイブに操られて共に過ごし、愛しあったこと」で、それだけでもおぞましいのですが、その後もキルグレイブはジェシカを求め続けており、本編では彼女を再び手に入れることのみを行動原理とします。

しかも突発的な衝動ではなく、ガチで愛しにきているので、そのモノホンストーカー系ヴィランっぷりはなかなか強烈です。

なにより、キルグレイブは目的を果たすために用いる手段がマーベルの映像作品としては段違いでグロテスクかつ非道です。

彼の存在だけで作品のジャンルがサイコスリラーになっているといっても過言ではありません。

無敵とも思われる能力吐き気をもよおすやり口を兼ね備える「巨悪」キルグレイブと、「探偵」ジェシカ・ジョーンズの血なまぐさい攻防を、その裏に秘められた男女の微妙な関係にも注目しつつ、ぜひ味わって欲しいです。

ジェシカ・ジョーンズ』はその作風からして、全体にある種の「そっけなさ」が流れているので、序盤はグっと引き込まれる人とそうでない人がいるかもしれません。

ですが、心理戦が佳境に入る中盤からの怒涛の展開は、グロ耐性さえあれば万人が楽しめるので、もし序盤が合わなくても、長い目で観賞を続けてみてください。

あと、個人的にジェシカ役のクリステン・リッターの顔がすごく好みです。

画像引用元・権利者:Netflix/マーベル・スタジオ

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メイベル・パインズに恋してる

メイベル・パインズは、ディズニー・チャンネル及びDlifeで放送されている『怪奇ゾーン グラビティフォールズ』のヒロインだよ。

カリフォルニア州出身の12歳で、オレゴン州グラビティフォールズにある大叔父さんの「ミステリーハウス」に、双子のディッパーと一緒に夏休みの間だけ滞在しているよ。

筆者は辛い時や行き詰まった時に、わりとガチでメイベルに元気をもらっているので、そんな彼女の魅力を紹介するよ。

 

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©Gravity Falls/Alex Hirsch/Disney Television Animation

 

 1.メイベル・パインズは前向き

メイベルは基本的にすごくポジティブ。

少女らしい天真爛漫さで、毎日のできごとをいつも全力で楽しもうとしています。

「未来は常に明るい」とでも言いたげな彼女の笑顔と行動力を見ていると勇気づけられます。

そんなメイベルも、人間関係で悩むと落ち込んだりすることも多いですが、最後には絶対に前を向きます。

 

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©Gravity Falls/Alex Hirsch/Disney Television Animation

 

2.メイベル・パインズは純粋で優しい

メイベルはとっても思いやりがあります。

相手の心をいかに傷つけないかを最優先して物事を考えるし、人の長所を見つけるのが得意です。

他人のために怒り、悲しむことができ、家族や友人の抱える問題を解決することに努力を惜しみません。

後先をかえりみずに突っ走るので空回りすることもありますが、社交性抜群で気立てのいいメイベルの周りはみんな幸せそうです。

 

3.メイベル・パインズは狂っている

メイベルは尋常じゃなくユニークです。

なにかしらラメをふりかけてキラキラさせようとしたり、歯磨き粉を一本まるまる食べたり、弟の胸毛をスクラップブックにファイルしたり、豚とラジオDJごっこをしたり、脳みそみたいになった噛みかけのガムを見せてきたりします。

 

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©Gravity Falls/Alex Hirsch/Disney Television Animation

 

ピュアなメイベルがグラビティフォールズの恐ろしい怪奇現象と出会ったり、人間の黒い部分を目の当たりにしても、彼女の個性と独自ワールドの強さが打ち勝つので、メイベルはメイベルのままです。

どんな時も自分の独創性を突き通すその生き様をながめていると、小さな悩みや人の目を気にすることなどどうでもよくなってきます。

 

4.メイベル・パインズは恋をしたい

メイベルはかなり惚れっぽいです。

グラビティフォールズに来た初日から、あらゆる男の子に声をかけまくっています。

おかしなメイベルもところどころ年相応の女の子なのがまたかわいいです

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©Gravity Falls/Alex Hirsch/Disney Television Animation

 

5.メイベル・パインズは手先が器用

メイベルには工作や裁縫の才能があります。

大叔父さんそっくりの等身大蝋人形を作ったり、素敵なドレスをこしらえたりすることができて、どれもプロ級のデキです。

ほぼ日替わりで着ている自分のセーターも手作りだと思われます。

 

6.メイベル・パインズは弟が大好き

メイベルは双子の弟ディッパーと大の仲良しです。

ほとんど依存しているといってもいいくらいベッタリで、ふざけあったりからかいあったりしながら、多くの時間を一緒に過ごしています。

彼と心がすれ違うようなことがあるとひどくふさぎこみ、仲直りする時は力いっぱい仲直りします。

家族の繋がりを大切にするところや、ディッパーにだけ見せる繊細な一面もメイベルの魅力です。

 

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©Gravity Falls/Alex Hirsch/Disney Television Animation

ドラマ『デアデビル』シーズン1感想と見所

今回は、マーベル・シネマティック・ユニバースと動画配信サービスNetflixが組んだオリジナルドラマデアデビルシーズン1の感想をお届けします。

 

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 ©Daredevil/Marvel Television/ABC Studios/Netflix

 

1.概要

デアデビルは同名のコミックスを原作としたドラマで、マーベル・スタジオが展開するマーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)に含まれます。

主役のデアデビル=マシュー・マードックは、事故で視力を失った代わりに超感覚を得たクライムファイターで、昼は弁護士として働き、夜は街に巣食う犯罪者たちと戦っています。

デアデビルはマーベル・コミックスの中でもかなり上位に入る人気キャラで、過去にベン・アフレック主演で映画化もされています。

 

2.感想と見所の解説

いやー、面白かった。

このドラマの制作と配信が発表された当時は、「ドラマはどちらかというとDCが優勢」というイメージと「あのデアデビルを映画でやらなくていいの!?」という驚きがあって、ちょっと不安だったのですが、完全に杞憂でした。

はっきりいってコレ、MCU全作合わせた中で一番好きって人も絶対いると思います。

元の設定を最大限に生かした骨太のストーリーと、ドラマ最高峰レベルの格闘アクションのどちらも圧巻で、非の打ちどころがない。

最高でした。

そして、『デアデビル』にはこれまでのMCUとは大きく異なる長所がいくつもあります。

まずは「シリアスさとアダルトさ」

他のMCUも基本的にはシリアスなのですが、『デアデビル』は汚職・腐敗・暴力・金・組織犯罪を巡る描写がハンパじゃなく(だが意外に濡れ場は全くない)、グロさも段違いで、明らかにトーンが異質です。

やってることは『バットマン』に近いのですが、さらにダークです。

しかし、その張りつめたリアルな空気が、素晴らしい脚本と合わさることで「王道」と成り、圧倒的な完成度に到達しています。

また、痛ましいほどに「暴力」が本当に「暴力」なので、その意味合いも切実なものとなり、物語に深みを与えています。

次に「正体を隠したヒーローであること」

アベンジャーズ』の面々は、歴史的偉人であるスティーブ・ロジャースキャプテン・アメリカ、活動開始早々に正体を明かしたトニー・スターク=アイアンマン、二つの顔を持たないソーなど、シークレット・アイデンティティの問題を宿さないヒーローばかりです。

そもそもMCUでは、『アイアンマン』から『シビル・ウォー:キャプテン・アメリカ』まで、一貫して「正義の民営化」と公的な勢力との駆け引きが組織単位で国際的に展開されており、本来ヒーロー作品につきものの「個人の正体の問題」が入り込む余地はありませんでした。

その点、デアデビルは世界ではなく、自分の街(ヘルズ・キッチン)を守るために戦うクライム・ファイターです。

「本当の自分」というテーマは『アイアンマン3』でも描かれていますが、「正体を隠しているからこその孤独と葛藤」が掘り下げられるのは、実は今回が初なのです(映画では今後『スパイダーマン:ホームカミング』で見られると思います)。

この新たな要素が軸になることにより、過去のトラウマや生と死、善と悪、罪と罰などのモチーフが、より分かりやすく、より等身大で訴えかけてくるようになっています。

最後に「敵が魅力的」

MCUはどうにも悪役の魅力が不足しているという意見をよく目にします。

権利関係により超人気ヴィランを登場させられないという理由の他に、企画の性質上、ヒーローの人物造形を優先させるコンセプトがその原因だと思われますが、『デアデビル』では悪役の造形にもかなり力が入れられています。

今回立ちはだかるウィルソン・フィスクは、特殊能力を持たないながらも、原作マーベル世界の犯罪界の頂点に立つ男で、キングピン(親玉)と呼ばれている大物です。

デアデビルだけでなく、パニッシャースパイダーマンとも何度も対決しており、また、DCのレックス・ルーサーのように、黒幕的な立ち位置を担うことが多い重要ヴィランなのです。

シーズン1でのフィスクはまだ「キングピン」とは呼ばれておらず、原作で事業家・慈善活動家として広く認知されているのとは正反対に、全くその存在を知られていないところから本編に参加します。

しかし、この時点でも既に裏の世界(ひいては社会全体)は彼に牛耳られており、その特殊なポジションとパーソナリティが、「残虐だが恋人や母や友人のことは深く愛する性格」「手段が違うだけで彼も街を良くしようとしているという事実」「癇癪を起こした子供のような戦闘スタイル」などの側面が明かされていくことによって、さらにどんどん魅力的になっていき、彼から目が離せなくなります。

演じるヴィンセント・ドノフリオの怪演もすさまじいです。

さて、ここまで『デアデビル』の見所を三つ示しましたが、そのどれもが、一挙に制作・配信されるNetflixオリジナルドラマだからこそフルに活かされ、結果に繋がったと思います。

見た後だと「映画じゃなくてよかったな」とすら感じますし、また、クリフハンガーや「意外な展開」をある意味作業的に詰め込む性質がある連続テレビドラマでも、ここまで伸び伸びとした作品にはならなかったと思います。

マーベル・スタジオの適材適所を分かっているところというか、プロデュースにおける先見の明はやはり異常ですね。