スター・バタフライのかわいさと「萌え」の逆輸入
現在ディズニー・チャンネルで放送中のカートゥーンアニメーション『悪魔バスター★スター・バタフライ』。
放送前からシーズン2の制作が決定するなど、大人気の話題作です。
今回はスター・バタフライの魅力とかわいさを紹介すると共に、この作品の特徴と位置づけを考察していこうと思います。
1.あらすじと登場人物
主人公であるスター・バタフライは、異次元に存在する魔法の国「ミューニ」のプリンセスです(一応ディズニー・プリンセス?)。
彼女は14歳の誕生日に強力な「魔法のステッキ」を受け継ぎ、それに見合う責任を学ぶために地球で修行をすることになります。
とはいっても特に具体的な修行内容が課せられているわけではないようで、留学生として毎日を楽しく過ごしつつ、ステッキを狙う悪者たちと戦ったりします。
要するにファンタジー系ドタバタコメディなのです。
スター・バタフライ
©Star vs. the Forces of Evil/Daron Nefcy/Disney Television Animation
本作のヒロイン。
魔法の世界「ミューニ」の姫。
今どき逆に珍しいんじゃないかってくらい、嫌味や皮肉のない超素直で明るい性格だが、手に負えないやんちゃ故に地球に送り出される。
異次元人にして恐らく正確には宇宙人、つまりマイティ・ソーみたいなもの。
様々な魔法を扱えるが得手不得手があり、トラブルを巻き起こすこともしばしば。
マルコ・ディアス
©Star vs. the Forces of Evil/Daron Nefcy/Disney Television Animation
本作のもう一人の主人公。
「最も安全な少年」として選ばれた、スターのホームステイファミリーにして親友。
メキシコ系。
あくまで常人であるのにも関わらず、異世界からやって来る魔物たちを得意の空手でちぎっては投げる。
しかし、かけ声は明らかにカンフーでしかもやたら甲高い。
「ハイィィイヤアアア↑」
2.「アニメ」の「アニメーション」
ここまで読んで同じことを思った方もいるかもしれませんが、けっこう設定がベタなんです。
というより日本のアニメ、特に美少女ものや魔法少女ものにありそうな感じです。
このアニメーションをジャンル分けするとしたら、「ファンタジー」や「ラブコメ」など色々な区分が可能だと思います。
しかし、僕はあえて「アニメ」のアニメーションという見方で紹介したい。
意味不明ですよね、すいません説明します。
まず、「アニメ」という単語は世界的には「日本のアニメーション」を指す言葉で、単なる「アニメーション」とは微妙に意味合いが異なるらしいです。
それほど日本のアニメや漫画は一つのミームとして確立されており、アメコミや映画を含めた海外作品にじわじわと影響を与えています。
中でも『悪魔バスター★スター・バタフライ』は、スタッフが『セーラームーン』の影響を公言するなど、表現も内容もかなり直接的に日本のアニメにインスパイアされており、つまり何が見所かというと、海外のアニメーションで「日本のアニメ」をやってみたらどうなるかが分かるのです。
また「魔法少女的」な設定だけでなく、スターのかわいさを前面に押し出しているのも特徴です。
ストーリー自体やブラックなネタも魅力ですが、スターの「美少女っぷり」が明らかに売りの一つとして機能しており、こういった分かりやすい「萌え」に通じるアプローチがカートゥーンでなされるのは、たぶん異例だと思います(絵柄も含め「完全に日本のアニメ風の作品」はのぞく)。
かつて外国から影響を受けた日本のアニメが、今は逆に影響を与えることがあるいわば「逆輸入現象」。
それがついに「萌え」においても表面化してきたのであれば、スター・バタフライはその草分けになるかもしれないのです。
3.スター・バタフライの「萌え」
では、そのスターのかわいさがどのようなものかというと、日本の「萌え」とはやっぱりちょっと違います。
最大の特徴は、「男性の理想の化身ではない」という点です。
スターの持つ生々しいコンプレックスも、顔芸も、やかましさも、一つひとつをとってみれば日本の「美少女キャラ」にもありえる要素ですが、全体で見ると視点が根底から異なることが分かるはずです。
「男のロマンや欲望を叶える存在」という役割を少しも持たない、「生きた人間の少女」。
でもその前提があるからこそ、ふとした瞬間にのぞかせるリアルな萌えや、一挙手一投足がかわいい。
日本の作品にそういうキャラがいないというわけでも、どちらが正しいというわけでもありませんが、発見は多いと思います。
『悪魔バスター★スター・バタフライ』、おすすめです。
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