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富とジェリー

富を得たジェリーは変わってしまった。

名古屋という魔都 愛知という島 1(基本と方言編)

紹介・感想 考察 日記・その他

なにを隠そうワタクシは愛知県の出身でございます。

皆さんは愛知、もしくは名古屋というとどのようなイメージを思い浮かべられるでしょうか?

エビフライ? それはタモリ名古屋弁をいじって「エビフリャー」と言っただけです。

天むす? あれは厳密には三重です。

首都ではなく、関西や沖縄のように独自の文化が有名なわけでもなく、北海道のように気候に恵まれている土地でもないので、「愛知・名古屋の個性とはなんぞや?」と聞かれると、答えられない人が大半なのではないでしょうか(地元民も含め)。

それどころかネット上だとわりと嫌われているんじゃないかという疑惑があったりして、地元の者としては心が痛い時があります。

先日、作家の村上春樹氏が名古屋を「呪術性を失っていない魔都」だと表現しているのを目にしました。

個人のフィーリングなのではっきりと理解できるわけではないんですが、なんとなく思い当たる節があります

今回は魔都・名古屋の知られざるかもしれない生態について、時に簡潔に、時にマニアックに並べていこうと思います。

実質、ほぼ名古屋=愛知のようなものなので、その点をご留意してお楽しみください。

 

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1.名古屋人の評判とその考察だがや!

実際の切実な感情がどうなのかは分かりませんが、少なくともネット上での名古屋人の評判は悪いです。

Googleに「名古屋人」と入れると「最悪」「ブス 多い」が出るんですから、まー悪いです

まず「最悪」についてですが、別にそんなことはないと思います。

実は「名古屋人」の検索候補には「優しい」も付いてきたりするんですが、わりとその通り、世話好きな人が多いと感じます。

ただ、名古屋人は基本的に保守的です。

なにがそうさせるのかは後に触れますが、「気立てはいいが内輪でなれ合う性質」なので、外から来た者に完全に心を開くことが難儀だというのはあると思います。

また、これも後で書きますが、車の運転に関しては紛れもなく最悪です。

でも、ここまで強い悪評の根源はこれらの要素ではないと思うんですよね。

個人的には、連綿と続いている「関東vs関西」「東京vs大阪」の対抗意識から派生し、「そんな醜い争いは無駄だよ。本当に嫌な奴は別にいるだろ?」という落としどころとして、必要以上に名古屋がやり玉に挙げられているんじゃないかという気がするんです。

真相は分かりませんけどね。

次に「ブスが多い」についてですが、これはなんとも言えません。

僕は名古屋市から20㎞ほど離れた街で育ったのですが、城下町だったからか(意味不明)周りには濃い顔の人が多かったです。

進学し、学校が名古屋市に近づくほどそうでもなくなっていったので、仮に目鼻立ちがはっきりしている=美形だと定義するならば、美人の数は小学校が一番多かったと思います。

あまりにも個人的な体験なので参考にはならないかもしれませんね。

しかし「見渡す限りどう見ても全員ブス」「カワイイ娘が一人もいない」という状況には遭遇したことがないので、「名古屋人はブスばかり」と発信している層がなにを以てそうだと判断しているのか不明です。

だから結局イメージなんじゃないですかね。

美醜の基準はかなり人によりますしね。


2.名古屋弁について話そまい!

これも関西弁などのメジャー方言と比べるとだいぶ曖昧です。

名古屋は西日本ではなく中部なので、「京阪式アクセント」ではなく、共通語の発音と骨組みから別物というわけではないのです。

しかし単語や動詞のアクセントがなんの法則性もなく微妙に違ったりはします(「一万円」「二階」など)。

そういう大っぴらでない相違点のせいで、自分が訛っているということに気づいていない名古屋人はすごく多いと思います。

あと、関西人は「テレビ」を「テレ↑ビ↓」と言ったりしますが、同じ発音で「わさび」を「わさ↑び↓」という言うのは恐らく愛知・岐阜の年配者だけです。

発音の違い以外の方言の代表としては

「でら」=「とても、すごく」

「なぶる」=「触る、いじる」

「机をつる」=「机を持ち上げて移動させる」(机にしか使われない)

「さぶい」=「寒い」

「……まるけ」=「……だらけ」

「……だで」=「……だから」(前のできごとを説明する時に「しとったもんだで」とか僕もよく使う)

「ケッタ」=「自転車」

「やっとかめ」=「久しぶり」

「放課」=「休み時間」

などがあります。

「放課」の存在は子供にとってはややこしく、「放課」が休み時間なら「放課後」っていつなんだよって悩まされたりしました。

名古屋は時空が歪んでいます。

語尾には多数の種類があって、「まい」「がや」にはじまり、場所によっては「がん」が使われ、尾張名古屋から南下して三河に入ると「じゃん」「だら」「りん」などの三河弁が現れるようです(直接耳にしたことはないけど)。

これらの語尾を話す若者は少なく(たまにいる)、代わりに尾張北部を中心によく使われるのが「やん」です。

使い方は関西弁とほぼ一緒なので、「エセ関西弁」と言われたりすることもあります。

しかしこれは関西弁ではありません。

かといって名古屋弁でも尾張弁でもありません。

じゃあ何弁かというと、お隣の「美濃(岐阜南部)弁」です。

美濃には時折「やおなー」とか言ったりする人がいるのですが、その内「やん」だけが尾張北部に浸透し、名古屋にも少しずつ流れ込んでいったのだと思います。

「じゃん」よりも「やん」の方が気取ってない感じがして使いやすいので、これからもどんどん広まるんじゃないですかね。

同じように便利な言葉として「やあ」があります(こちらは純粋な名古屋弁です)。

「やあ」は直訳することが不可能なニュアンスを含んでいます。

意味を無理やり定めるなら「命令と提案の中間」です。

例として「これ食べやあ」「こっち来やあ」「元気だしゃあ」のように用います。

急かすことにも使えるし、軽い強要にも使えるが、あくまで決定権は相手に委ねる魔法のワードです。

それとは関係なく相手を指すのに使われる時もあって、それが有名な「おみゃあ」です。

他に特殊な方言として武士言葉があります。

「ご無礼しました」=「失礼しました」

「ござる」=「来てくださる」

などがこれに当たります。

今まで4回ぐらいしか聞いたことがありませんが、30代ぐらいの男性が口にするのを見たことがあるし、うちの親(関西人)は幼稚園児に「ご無礼しました」と謝られて驚いていたので、年齢はあまり関係ないようです。

子供といえば、うちの街では自分のことを「オ↓レ↑」(カフェ「オレ」日本語の「オレ」ンジと同じ)ではなく「オ↑レ↓」(ミックス「オレ」英語の「オレ」ンジと同じ)と発音するちびっ子たちが多かったのですが、あれは方言なのかなあ……。


2に続く