ルーク・スカイウォーカーを見つめ直す 後編
©Star Wars:The Force Awakens/Lucasfilm Ltd./Bad Robot Productions
※ここから先は『スター・ウォーズ』シリーズのネタバレをほんの少し含みます。
3.「太陽の息子」は誰だ!?
エピソードⅠ『ファントム・メナス』とエピソードⅥ『ジェダイの帰還』のラストシーンでは、宴の歓声にまぎれて「Son of the suns」という意味深な声が聞こえます。
これは、普通に考えれば「選ばれし者」=アナキンを指して、何者かが祝している言葉だと思われます。
しかし、「九部作」の予定が復活して『ジェダイの帰還』がグランドフィナーレではなくなったことを加味すると、もしかしたら「Son of the suns」はルークのことを指しているのかもしれません。
なぜそう感じるのかをひも解いていきます。
エピソード7~9がただ単に「新世代の三部作として付け加えられるもの」ではなく、「九部作の一部として機能するもの」であると仮定するならば、九部作全体を繋ぐ「芯」がどこかにあるはずです。
六部作を繋いでいたアナキンとパルパティーンが退場した今、彼らに代わる新たな「芯」が九部作を結び付け、それが『スター・ウォーズ』というお話になるのです。
つまり、この壮大な九部作が幕を引く時、『スター・ウォーズ』は「アナキンの物語」ではなくなっているわけです。
恐らく、「1~6」はアナキンの物語、「4~9」はルークの物語、「7~9(あるいはそれ以降も)」はレイの物語、その3セクションを全エピソードにまたがるテーマ(「芯」)が貫くという構造に収まるはずです。
だとすれば、例え「選ばれし者」がアナキンであっても、「Son of the suns」はそれよりもっと大きな別の定義を表す言葉であり、今後も極めて重要な役割を担うであろうルークのことを指しているという可能性も無視できなくなってくるわけです。
「Son of the suns」の意味が直接明かされるにしろ明かされないにしろ、やはり、次回作のルークには注目せざるを得ません。
ちなみに、レイは「息子」でも「複数の太陽」がある星の出身でもないので、「Son of the suns」ではありません。
アナキンの生まれ変わりだったりしたら話は変わってきますが……。
4.エピソードⅧでルークは死ぬのか
死なないと思います。
そもそも、まだエピソードⅦについての情報があやふやだった頃、新たな三部作の一作目は年老いたルーク、レイア、ソロが務め、次からようやく次世代の主人公たちにバトンタッチするという噂がありました。
噂になるということは、これは大多数のファンがわりと納得できる予想だったわけです。
しかし、実際には『フォースの覚醒』はそういう共通認識を無視した逆の展開となり、ルークの出番がとても少なかったです。
既にそこまで苦渋の決断を下しておきながら、さらにルークを次回作で死亡させ、実質一つ分のエピソードにしか登場させないというのはありえない気がします。
また、先日亡くなられたキャリー・フィッシャー演じるレイア・オーガナのCG再現はするつもりがないという意向を制作側が発表したので、エピソードⅧでルークが退場すれば、エピソードⅨはオリジナルのメイン三人組が一人も登場しない作品になってしまいます。
これもおよそありえません。
それに、ハン・ソロの死という衝撃の展開を経て、順繰りのように今度はルークが死ぬという流れもインパクトと工夫に欠けます。
絶対とは言い切れませんが、ルークは新たな三部作を完走すると予想します。