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大人向け海外アニメの最高傑作かも『ボージャック・ホースマン』まとめ

『ボージャック・ホースマン』は、Netflixで独占配信されているオリジナルのアニメーションシリーズです。

擬人化された動物と人間が当たり前のように混在する世界のハリウッドを舞台とし、馬の俳優・ボージャック・ホースマンの苦悩と葛藤が描かれます。

今回は、『ボージャック・ホースマン』の魅力を紹介していきます。

 

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©BoJack Horseman/Raphael Bob-Waksberg/The Tornante Company/Boxer vs. Raptor/ShadowMachine/Netflix

 

1.あらすじ

落ち目の俳優・ボージャック・ホースマンは、かつての栄光に思いを馳せながら自堕落な生活を送っていた。

これは、一匹の馬であり一人の男であるボージャックが、前に進もうとあがく話である……。

 

2.登場人物

ボージャック・ホースマン(馬)

90年代にシットコム『馬鹿騒ぎ』で一世を風靡した元テレビスターの俳優。

現在は、『馬鹿騒ぎ』を何度も見返しながら、酒と女に溺れて暮らしている。

自己中かつ無責任、卑屈でいてプライドが高いダメ人間だが、そんな彼を一番嫌っているのは彼自身である。

本当は他人に優しく、人ともうまく付き合いたいと思っているが、人を傷つけないために、そして自分が傷つかないために、心の距離を詰めることを極端に恐れている。

幼い頃、両親(特に母親のベアトリス)から情緒的ネグレクトを受けている。

 

ダイアン・ヌーエン(人間)

ボージャックの自叙伝のゴーストライターを務めることになったライター兼ジャーナリスト。

ベトナム系。

比較的良識の在る常識人だが、彼女もまた、自分の弱さとダメさに足をすくわれ続けている、いわば女版ボージャック。

恐らく、ボージャックの気持ちに一番寄り添える人物。

様々な社会問題(特にフェミ関連)に興味を持ち、積極的に切り込むが、毎回、思うように現状を変えられない。

 

トッド・チャベス(人間)

ボージャックの家に居候している半ニートの若者。

ひょうひょうとしており、我欲らしい我欲が一切ない。

自分とは別ベクトルでダメな彼を「飼う」ことで安心している節があるボージャックを尻目に、徐々に芸術や経営において非凡な才を発揮し始める。

 

プリンセス・キャロライン(猫)

ボージャックの元彼女の一人にして、俳優業のエージェント。

バリバリのキャリアウーマンで、ダイアンと違い、割り切れるところは割り切れる自立した女性だが、彼女もまた孤独を抱えている。

 

ミスター・ピーナッツバター(犬)

ボージャックの後釜ともいえるタイミングで人気になった、元テレビスターの俳優。

自信と協調性にあふれ、人に好かれる才能を持つ。

ボージャックにとっては理解しがたい精神形態を持つ宇宙人であり、コンプレックスの象徴。

ダイアンと交際しており、後に結婚する。

 

サラ・リン(人間)

『馬鹿騒ぎ』でボージャックと共演した元子役。

かつてはポップアイコンだったが、現在は薬に溺れている。

 

3.きっと誰もが自分に出会う

本作は、過去の呪縛やトラウマ、人生に立ちはだかる様々な壁、そして自分自身と向き合い、あるいは逃げ、幸せを掴もうとする人々の群像劇です。

ボージャックをはじめとするキャラクターたちの苦悩や葛藤は、誰もが共感できる人間の本質を映し出し、非常に高度な脚本と演出を通して、視聴者の心に呼びかけてきます。

落ち込んだ時、行き詰まった時、自分自身を見つめ直したい時、ただ孤独や悲しみに酔いたい時、きっとこの作品が役に立つと思います。

 

4.単に面白い

レベルの高いドラマであるのと同時に、シュールな笑いが盛り込まれたコメディでもあるので、深く考えなくても楽しむことができます。

また、擬人化された動物が行き交う世界であることによって、セレブの周辺が舞台であっても嫌味がありません。

面白く、見やすく、かつ深いアニメだといえます。

 

5.優しいアニメ

人はみんなひとりぼっちなのかもしれない。

人生は物語ではない。

時間は止まってはくれない。

そんなテーマを掲げる大人向けアニメでありながらも、本作はシニカルかつアイロニカルな視点に極端に振り切って、人をあきらめたり突き放したりはしません。

過激なネタやブラックなネタももちろんありますが、根本には「優しさ」が流れている作品です。

気を張らずに、安心して身を委ねることができます。

『ボージャック・ホースマン』、非常にオススメです。