富とジェリー

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スタイルを賭けた戦い『LUPIN THE Ⅲ 次元大介の墓標』感想

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©テレコム・アニメーションフィルム/小池健/モンキー・パンチ

 

概要

監督 小池健

原作 モンキー・パンチ

キャスト

栗田寛一 小林清志 沢城みゆき

山寺宏一 尾花かんじ

 

あらすじ

お宝「リトルコメット」を盗むため、東ドロアのマランダ共和国大使館に忍び込んだルパンと次元は、謎の男から狙撃されてしまう

摘出した弾丸は、以前次元が防げなかった、東ドロアの歌姫・クイーン=マルタ暗殺に使用されたのと同じものだった

凄腕の殺し屋・ヤエル奥崎に狙われていることを知った次元は、彼と対決することになる

 

感想

僕は初期のテレビシリーズや映画を『ルパンVS複製人間』しか見たことがないお子様なので、今回の大人向けルパンはなかなか新鮮でした。

いやー、めちゃくちゃかっこいいですねえ。

慣れ合わないアウトローたちの乾いた関係と、そこから織りなされるクールな掛け合いは、まさにハードボイルドといった感じです。

ただ、「これこそが本来の『ルパン三世』」と言い切っていいのかどうかはよくわかりませんけどね。

モンキー・パンチ氏が『トムとジェリー』が原型だとおっしゃる通り、ギャグが盛り込まれたノリもルパンの重要な要素だとは思います。

しかし、本作公開以前の10年間ばかし、明らかに「行き過ぎたギャグ」が詰まった話が多かったのもたしかなので、ここでガツン! と「ハードボイルドな『ルパン三世』」の一つの完成形を仕上げてみせた意味は大きいですよね。

個人的な好みとしては、今後もこういうのばっかりを見たいです。

次元ってやっぱ相当かっこいいですよね。

自分的には、日本の漫画・アニメのキャラクターで一番かっこいいかもしれない。

今作は、「金」でも「正義」でもなく、次元大介という男の「プライド」をめぐるお話。

そしてたぶん、「ロマン」をめぐるお話。

ルパンと次元の共通点って何かって考えた時に、それは「ロマン」じゃないかなって思うんですよね。

ルパンの場合、ロマンは「お宝」と「女」そして、「何でもできる自分(夢を見ない自分)」。

次元の場合、「スタイル」

次元大介はヒーローではない。

しかし、一人の女を守れなかった後味の悪さは、古風なリボルバーへのこだわりと同じように、彼のスタイルとして彼を動かしているのかもしれない。

そんな次元のスタイル(=ロマン)を、同じくロマンに生きるルパンが最高の形でサポートする。

僕はこの作品をそんな風に捉えました。

強迫的なこだわりを持った、敵のヤエル奥崎も魅力的。

やっぱり、こういう癖があるヴィランって必要だと思います。

名前もいい。

「ヤエル奥崎」。

「ヤエル山崎」でも「ノエル奥崎」でもダメ。

声に出して言いたい。

「ヤエル奥崎」。

 

評価:☆☆☆☆(5点満点)